即時荷重インプラント
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即時荷重インプラントとは
通常のインプラント治療では、インプラント(人工歯根)を埋め込んだ後に、歯槽骨(歯を支えるあごの骨)と結合するための期間(4~6か月程度)を設けますが、一定の条件が整えば、インプラントを埋め込んだ後にアバットメント(人工歯の土台)と仮歯を装着することができます。このような治療を即時荷重インプラントと言います。
即時荷重インプラントは、すぐに噛む機能を完全に回復できるものではなく、審美面や歯がないことによる発音しにくさを補うためのもので、すぐに食生活が快適になるわけではありませんのでご注意ください。
即時荷重インプラントが可能な条件
歯が入っていない状態で数か月間過ごすということは、ほとんどの患者様が懸念されることなので、すべての患者様に即時荷重インプラントができることは理想ですが、インプラントが骨に結合していない条件で仮歯を装着するには、患者様の口腔環境と歯科医院の治療環境が整っている必要がります。
患者様に求める条件
詳細はやはり検査を評価してということになりますが、基本的にはインプラントを埋め込む箇所の歯槽骨(歯を支えるあごの骨)が充分にあることと、骨密度が充分にあることが必須の条件です。
治療を成功させるための条件
即時荷重インプラントによってインプラントを安定させるためには、以下の条件を実現できる環境が必要になります。
- 即時荷重に適したインプラント体(人工歯根)を使用する
- 初期固定をしっかり行えること
- 誤差の少ない切削(ドリリング)ができること
インプラントを埋め込む穴の大きさとインプラントの太さの差が大きいとインプラントを安定させることが難しくなります。そのためにも、サージカルガイドを使用した精密な治療が適していると言えます。
プロビショナルインプラント
隣り合った複数本の歯を少ない本数のインプラントで治療をする場合、骨に結合する前のインプラント(人工歯根)に過度な力がかかってしまうために即時荷重できないことがありますが、このようなケースでは、埋め込んだインプラントとインプラントの間に小さいインプラント(プロビジョナルインプラント)を追加で埋め込み、支持を増やすことで即時荷重インプラントを可能にすることができます。
手術当日に仮歯を装着することができるため、食事に支障をきたすことがなく、歯がない状態で過ごす必要もありません。
プロビジョナルインプラントは骨と結合することがないため、最終的な人工歯を装着する際に撤去します。
即時荷重インプラントのメリット
食事や会話への支障を抑えられる
骨拡大治療では、極細の穴からインプラントを埋め込むスペースを作っていくため、切開など必要なく出血もわずかで、低侵襲(身体にかかる負担が少ない)な治療が行えます。
通院回数を少なくできる
手術中は麻酔がかかっているため痛みはほとんど感じることがありませんが、骨を削る際のドリルの音や振動に恐怖感を持つ方もいらっしゃることでしょう。骨拡大治療ではドリルで骨を削ることがないため、このような心配はいりません。
費用が抑えられる
骨を削る量が少ないため、歯槽骨(歯を支えるあごの骨)をインプラント体(人工歯根)が結合しやすくなります。身体にかかる負担が少ないこともあり、治療期間も比較的短くなります。
即時荷重インプラントのデメリット
インプラントが動いてしまうリスクがあります
インプラントが骨に結合するためには一定の期間が必要です。このため、無理な負荷がかかるような食事や、歯ぎしり食いしばりをしてしまうとインプラントが動いてしまうことがあります。最悪、抜けてしまうこともあるため注意が必要です。
食事の制限がある
インプラントに必要以上に負荷がかからないように、一定期間は硬いものが食べられないなど食事の内容に制限がかかります。
また、インプラントが骨と結合していても仮歯は破損する場合があります。
即時荷重できない場合がある
インプラントを埋め込む箇所の骨の状態によっては即時荷重インプラントが選択できない場合があります。また、高度な技術や治療環境が必要になるため、どこの歯科医院でも受けられる治療という訳ではありません。