安全性・事故防止の取り組み

インプラント治療のリスク

インプラント治療は、失った歯の機能を再現するという意味では最も優れた治療ですが、外科手術を伴う高度な治療のため、感染症や医療事故などのリスクが少なからずあります。
当院では、インプラント治療で起こる可能性のあるリスクを徹底的に分析して対策を行っております。

患者様に安心して治療を受けていただけるよう、リスクについてもしっかりと説明し、誠心誠意安全な治療を遂行できるよう肝に銘じて真摯に取り組んでおります。

徹底した消毒滅菌

当院では治療に伴う感染症を防止するために、使用する機器や器具の衛生管理を徹底しております。手袋やマスク、ガウンなどの使い捨て(ディスポーザブル)にできるものは全て患者様に使用するたびに交換しています。使い捨てにできない器具は、細菌類の付着を鑑みて洗浄・消毒・滅菌処理を徹底しております。

滅菌とは、有害・無害を問わず、全ての細菌類を死滅または排除することで、滅菌処理までを行うことで器具を介しての細菌感染を防止することができます。(消毒は全ての細菌を殺すとは言えないため)

また、滅菌した器具類は、細菌の再付着を防止するために使用する分ごとにパッキングして保管されるため、次に使用するまで清潔な状態を維持することができます。

インプラント専用の個室オペ室を完備

当院をはじめ当法人のグループ医院は、完全個室のオペ室を完備しております。

インプラントの外科手術は、必ずしも個室で行わなければならないという決まりはありませんが、不測の事故や感染症を防止するため、可能な限り清潔で安全な環境をご提供するという観点から、当院では個室が必須と考えています。

またオペ室には、手術において手元に影ができることを防ぐ「無影灯」を完備しており、また「生体情報モニター」で、患者様の身体の異変にもいち早く対応できる環境を整えております。不測の事態に備えて、AED(自動体外式除細動器)や酸素ボンベも完備しています。

ドリルの使用を最小限

インプラント治療では通常、ドリルであごの骨を削り穴を開け、インプラント体(人工歯根)を埋め込みますが、ドリルによる切削は、血管や神経を傷付けてしまったり、深く削り過ぎてしまう(穿孔)というリスクが伴います。当院は、CT(平面のレントゲン写真とは異なり、コンピューター上であごの骨や血管、神経などを立体的に再現する装置)で診断し、CTのデータを基にした事前シミュレーションから作成したテンプレートを使って手術を進め、ドリルストッパーによる削り過ぎを防止しているため、極めて安全に切削することができることにはなりますが、そのリスクをゼロにすることはできません。

そのため症例にもよりますが、できる限りドリルを使用しない治療を選択しています。

超音波骨切削器具の使用

超音波骨切削器具は、超音波の振動で骨を削る器具で、硬い組織のみを削り柔らかい組織は傷付けないという特徴があります。
ドリルと比較して、切削時間は長くなりますが、血管や神経を傷付けることがないため、安全性を重視した治療では有効な治療器具です。

骨拡大器具の使用

インプラントを埋め込む位置に極細の穴を開けて、その穴に徐々に太い骨拡大器具を通すことで穴を広げていく治療法です。
切削ではなため、血管や神経を気付つける心配はありませんが、治療時間は最も長くなります。

インプラント治療の成功率を上げるために

インプラント治療は自由診療(医療保険がてきようされない治療)のため、治療に使用する材料や治療法は歯科医院が柔軟に選択することができます。当院ではこのメリットを活かし、より安全性の高い治療を実践しております。

人工骨を使用(動物由来の骨は不使用)

あごの骨が足りない場合は、牛の骨や乾燥した人の骨を使うことがありますが、動物由来の骨を使用する場合は感染症のリスクが伴うことになります。また、宗教上の理由で動物の骨が使用できない患者様もいらっしゃいます。

このような場合に当院では、β-TCPを主成分とした人工骨(人工骨補填材)を使用します。6ヶ月ほどで骨に吸収され、生体親和性が高いため拒否反応がありません。

骨量・骨の高さが足りない方向けにショートインプラントを用意

インプラントを埋め込むあごの骨に高さがなく、通常のインプラント体(人工歯根)では骨を突き抜けてしまうような症例では、人工骨によって骨を増やす治療を併用するのが一般的ですが、当院のインプラント治療では、短いインプラントを使用することで追加の治療を回避できる場合があります。追加の治療がなくなるということはリスクが減ることはもちろん、患者様の身体にかかる負担も軽減されます。

また、通常のインプラント体では血管や神経に触れてしまう可能性があるような場合にも有効です。