インプラントデンチャー

インプラントデンチャーとは

インプラントデンチャーは、インプラント体(人工歯根)に特殊なパーツを取り付けて入れ歯を固定する治療です。 通常のインプラントとは異なり、入れ歯をいつでも自分で取り外せるのが大きな特徴です。

入れ歯は土台部分を歯ぐきの粘膜に密着させることで支えているため、強い力がかかると簡単にずれてしまい、食べものを噛む力も天然の歯の半分以下になってしまいますが、インプラントデンチャーはインプラントで固定されているため、入れ歯と比較してしっかり噛めるようになります。

お使いの入れ歯を利用できます

インプラントデンチャーの構造は、とてもシンプルです。あごの骨に数本かのインプラント体を埋め込み、その上部にアタッチメントと呼ばれるパーツを取り付けます。 入れ歯にもアタッチメントと対応するパーツを埋め込み、互いにはめ込むことで入れ歯を固定します。

インプラントデンチャーの大きな特徴は、入れ歯の取り外しが自由にできることです。外してお手入れすることができるので、 クリーニングしやすいという利点があります。また、今まで使っていた入れ歯をインプラントデンチャーに利用できることもあります。

義歯の本数を増やしたいときにも、新たにインプラント手術をする必要がありません。入れ歯を修理することで対応できます。

インプラントデンチャーのメリット

入れ歯よりもしっかり噛める

入れ歯は残っている歯にクラスプという留め具をかけて固定するか、歯がない場合には歯ぐきの粘膜に密着させて固定しますが、インプラントデンチャーはインプラントで入れ歯を固定します。このため、食事中や会話の途中でずれたり外れたりする心配がいりません。ストレスなく噛めるようになります。

修理・補修がしやすい

人工歯が簡単に取り外すことができ、入れ歯と同じ設計のため、破損や変色してしまっても簡単に修理ができます。

治療費が抑えられる

義歯に対して2~4本のインプラントで治療できるため、多くの歯をインプラントにすることと比較すると大幅に治療費を抑えることができます。また、使用中の入れ歯を修理して使用できる場合もあります。

クリーニングがしやすい

ご自身で簡単に取り外しができるため、入れ歯と同じようにクリーニングが行えます。
※インプラント側はブラッシングで丁寧に清掃する必要があります。

インプラントデンチャーのデメリット

入れ歯が摩耗しやすい

入れ歯がずれる、外れるということは、力がかかった時に逃げ道があるとも言えます。インプラントデンチャーはしっかり噛める半面、力の逃げ道がなくなるため、摩耗しやすくなりメンテナンスの頻度が高くなります。

違和感が残る場合がある

入れ歯であることに変わりはないため、純粋なインプラントと比べると違和感はあります。

適用できない場合がある

歯槽骨(歯を支えるあごの骨)の状態によってはインプラントデンチャーが適用できない場合があります。

入れ歯と比べ治療費が高額

インプラント治療(施術費用や材料代)を伴うため、入れ歯のみの治療と比べると治療費は高くなります。

インプラントデンチャーの種類

インプラントデンチャーは、埋め込んだインプラント体と入れ歯の両方にアタッチメントと呼ばれるパーツを取りつけ、互いにはめ込むことで装着します。 アタッチメントにはさまざまなタイプがありますが、患者様のお口の状態や生活スタイルなどを考慮して、最適なものをご提案いたします。

ロケーターアタッチメント(※最近の入れ歯タイプの主流)

インプラント体の上部にロケーター(樹脂製の連結パーツ)を取りつけます。入れ歯側にも対応するパーツを取り付けて固定します。

ロケーターは樹脂でできているため柔軟性があり、入れ歯に無理な力がかかったときにも、インプラントに及ぶ衝撃を軽減でき、インプラントを長持ちさせることができます。ただし、ロケーターは徐々に摩耗していくので、定期的に交換する必要があります。

Oリング(オーリング)アタッチメント

インプラント体の上部に球状または半球状のアタッチメントを取り付け、入れ歯側に取り付けたドーナツ状のゴムにはめ込むことで固定します。

入れ歯にかかる強い力をゴムで吸収できるため、インプラントにかかる負荷を軽減でき、入れ歯やインプラントを長持ちさせることができます。
ゴムの劣化によって、入れ歯の維持力が低下してきたときは、Oリングを交換する必要があります。

マグネットアタッチメント

インプラント体の上部に、キーパーと呼ばれる金属パーツを取り付け、入れ歯に取り付けたマグネットの磁力で固定します。

マグネットアタッチメントは、無理な力がかかった場合には外れる特徴があります。あごの骨の状態によって、インプラントに過度な力がかかることによって想定されるトラブルを回避するためにマグネットアタッチメントを選択します。
※MRI検査をするときには外す必要がある場合があります。