ジルコニアインプラント

ジルコニアインプラントとは

インプラント治療では、純チタンやチタン合金製のインプラント体(人工歯根)を使用するのが一般的ですが、近年日本でもシェアが増えつつあるのがジルコニア製のインプラントです。

ジルコニアもチタンと同様に骨と結合する性質があるため、人工歯根として機能させることができます。

チタンという金属は、生体親和性が高く金属アレルギーにもなりにくいと言われていますが、わずかながらにも金属アレルギー発症の報告があります。インプラントは、長期に渡って体の中で安定させることが求められるため、金属アレルギーの心配がある方がより安全に安心してお使いいただくためには、ジルコニアインプラントを選択されることをお勧めしております。

ジルコニアの特徴

主にジルコニアと言われる素材は、酸化ジルコニウム(ZrO2)を主成分とするジルコニアセラミックスのことを差し、セラミックスの中で最も硬いと素材と言われ、人工のダイヤモンドとしても知られています。また、耐熱性にも優れておりスペースシャトルの断熱保護材にも使用されています。

歯科においては、強度や透明感を活かして被せ物やブリッジに使われています。

ジルコニアインプラントのメリット

ジルコニアインプラントには、チタン製のインプラントと比べて優れた点が多くあり注目されています。

金属アレルギーの心配がない

ジルコニアは金属ではないため、金属アレルギーの心配がありません。
一般的なインプラントの素材であるチタンも金属アレルギーのリスクは少ないとされていますが、その理由はチタンからは金属イオンが溶出し難いからです。それでも、以下のような場面では金属アレルギーのリスクが伴います。

  1. 手術時に使用するドリルの金属片
  2. 埋入時にインプラント体の表面から剥がれた金属片
  3. インプラント周囲炎時にインプラント表面から金属イオンが溶け出す

ジルコニアインプラントの手術では、ドリルをはじめ身体に接触する機会のある機材はジルコニア製ですので、1のようなリスクもなくなります。

高い強度

ジルコニアは強度が高く、本来の歯と同じように歯に強い力がかかってもしっかり噛むことがっできます。
また、耐久性に優れているため、破損のリスクも少なく長期に渡って安定して使用できます。

歯垢(プラーク)が付着し難い

ジルコニアの表面は、顕微鏡レベルでとても滑らかでチタンと比較しても歯垢(プラーク)が付着し難く、落としやすい特徴があります。インプラントでも、日常の清掃(歯ブラシやフロスによるケア)を怠ると歯周病のような病気(インプラント周囲炎)にかかってしまいますが、そのリスクを減らす効果があります。

生体親和性に優れている

ジルコニアもチタンと同様に骨としっかり結合し、人体との相性が良く拒絶反応が起きにくい材質です。
また、歯ぐきとの生体親和性も高いため、長く使用しても歯ぐきが下がり難いという特徴もあります。

審美性に優れている

加齢などの理由によって歯ぐきが下がってくると、インプラントが露出してしまう場合がありますが、このような時でもジルコニアは白いため目立つことがありません。経年による変色もほとんどありません。

電磁波の影響を抑えられる

チタンはアンテナにも使われる材質で、電磁波を集積する特徴があります。このため、確実な根拠はないながら電磁波過敏症のリスクがあるとも考えられています。電磁波過敏症とは、スマートフォンやパソコン、家電製品などから発する電磁波を受けることによって様々な身体の不調が引き起こされるものです。
また、世界保健機関(WHO)より「携帯電話から出る電磁波には発がん性があるかもしれない」という評価が2011年5月にされています。
ジルコニアはこのようなリスクがありません。

ジルコニアインプラントのデメリット

あごの骨への負担が大きい

ジルコニアは非常に硬い材料なので大きなメリットもありますが、硬すぎてしまいあごの骨に負担がかかってしまう場合があります。青後の骨の状態を見極めたうえでの治療が必要になります。
また、かみ合う歯を痛めてしまう場合があります。

治療費が高くなる

チタン製のインプラントと比較して材料費が高くなるため、治療費が高くなります。
ジルコニアインプラントのメリットを鑑みて選択すると良いでしょう。