フラップレスインプラント手術
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明敬会の切らないインプラント
医療法人社団 明敬会ではインプラントの1次手術の約8~9割を歯茎を切開しないフラップレス手術での実績があり、約8~9割は2次手術も無しで行っています。東京では東京都中央区にある東京日本橋デンタルクリニックと東京都江東区にあるタキザワ歯科クリニックの2院、また神奈川では神奈川県藤沢市にある湘南藤沢歯科で歯茎を切開しないフラップレス手術と2次手術無を中心としたインプラント治療をしています。
フラップレス(無切開・無剥離・無縫合)
インプラントとは
インプラント治療では、歯槽骨(あごの骨)をドリルで削りインプラント体(人工歯根)を埋め込むための穴を空けますが、そのために一般的には、歯ぐきを切開して開き、歯槽骨を露出させます。
フラップレスインプラントは、歯ぐきを切開するのではなく、歯ぐきに最小限の穴を開け、その穴からドリルで切削する治療法です。切開しないため、歯ぐきを歯槽骨から剥がす必要はなく、縫合の必要もありません。
患者様の身体に与えるダメージを最小限にできる治療法ですが、歯槽骨を視認することがないため、治療の難易度は当然高くなります。当院ではCT(平面のレントゲン写真とは異なり、コンピューター上であごの骨や血管、神経などを立体的に再現する装置)を使用して歯槽骨を直接確認することなく、インプラントの埋入位置を確認し、シミュレーションできるため、フラップレスインプラントを安全に行うことができます。
また、当院では全症例の8割以上をフレップレスインプラントで治療しているため、多くの実績があるので安心して治療を受けていただけます。
フラップレスインプラントの
メリット・デメリット
フラップレスインプラントは、患者様にかかる負担を軽減できるメリットの多い治療法ですが、当然デメリットもないことはありません。当院は、メリットだけでなくデメリットもご理解いただきご納得いただいて治療を進めてまいります。
フラップレスインプラントのメリット
- 患者様の負担を軽減できる
フラップレスインプラントは、切開することがないため患者様の身体にかかる負担を最小限にすることができます。また、治療がシンプルになるため、不安や恐怖心などの精神的な負担も少なくなります。 - 高血圧症や糖尿病の方でも治療が可能
全身疾患があり、外科手術に耐えられないような患者様でもフラップレスインプラントなら適応できる場合があります。 - 通院回数・治療期間を減らせる
手術は一回で完了し、縫合しないため抜歯で通院する必要がありません。通院回数が少なることはもちろん、低侵襲(身体にかかる負担が少ない)治療のため、治癒は早くなりトータルの治療期間が短くなります。 - 出血・痛み・腫れを抑えられる
切開しないため手術での出血量を抑えることができます。また、身体に与えるダメージが少ない治療のため、術後の痛みや腫れも抑えることができます。 - 歯ぐきが下がりにくい
歯ぐきの切開、剥離、縫合を行う場合には、歯ぐきが引き攣れて下がってしまうことがあります。フラップレスインプラントでは、このリスクを少なくすることができます。
フラップレスインプラントのデメリット
- 適用できない場合がある
フラップレスインプラントは歯槽骨を直接目視することがないため、不確定な要素は回避する必要があります。このため、事前の診断でインプラントを埋め込む周辺の骨の状態によって、治療が適用できない場合があります。 - 途中で切開手術に変わる場合がある
手術中でも事前のシミュレーションと異なる状況や不確定な要素が見つかった場合には、安全性を優先して通常の切開を伴う手術に切り替える場合があります。 - 費用が高くなる場合があります
より安全にフラップレスインプラントを行うために、事前のシミュレーションを基に作成したテンプレート(サージカルガイド)を使用できますが、費用は高くなります。 - 高度な医療設備が必要
歯槽骨の状態を確認しない手術となるため、CT(平面のレントゲン写真とは異なり、コンピューター上であごの骨や血管、神経などを立体的に再現する装置)による診断と事前のシミュレーションは必須となり、どの歯科医院でも行えるものではありません。 - 歯科医師の経験と技術が必要
医療設備と同様に、高度な治療となるため、歯科医師の経験と技術は必須になります。多くの症例実績があることが好ましいと言えます。
フラップレス手術と通常手術の比較
通常のインプラント治療 | フラップレスインプラント | |
---|---|---|
歯ぐきの切開 | 通常メスで切開します | パンチで小さい穴を開けるため切開しません |
歯ぐきの剥離 | 歯槽骨を露出させるために歯ぐきを剥がします | 不要です |
歯ぐきの縫合 | 埋入後に縫合します | 切開しないため不要です |
身体への負担 | 大きい | 少ない |
精神的な負担 | 大きい | 少ない |
術後の腫れ・痛み | 腫れや痛みがでる場合が多い | 腫れや痛みがでることが少ない |
医療設備 | 一般的な歯科医院で可能 | CTによるシミュレーションが必須 |
歯科医師の技術 | 求められません | 技術や経験が必須 |
フラップレスインプラントの手術の流れ
パンチまたはバー(歯を削るドリル)などで歯ぐきにドリルを通す小さい穴をあけます。
歯ぐきの穴からドリルで歯槽骨(あごの骨)を切削してインプラント体を埋め込みます。
※通常のインプラント治療では歯ぐきを歯槽骨から剥離し切削します。
※削り過ぎないようにドリルストッパーを使用します。
インプラントの埋入後にキャップを付けて手術は終了です。
インプラントと歯槽骨の結合に4~6か月の期間を置き、人工歯を装着するための土台(アバットメント)を取り付けます。
人工歯を装着して治療は完了です。
インプラントやセラミックの人工歯は歯垢(プラーク)が付着し難い素材ですが、メンテナンスを怠ると歯周病のような病気(インプラント周囲炎)にかかり、脱落する要因になります。
長くお使いいただくためにも、日常の清掃と定期的なメンテナンスを欠かさず受けてください。
フラップレス手術の失敗原因と回避方法

フラップレス手術と歯茎(歯肉)切開、剥離する通常のインプラント手術の失敗原因に大きな違いはなく、どちらも「顎の骨を直視できないことによる骨の形が把握しにくい」ことに起因します。特にフラップレス手術の経験や実績が少ない場合、以下2点が失敗原因として挙げられます。
①「顎骨外に穿孔」「神経血管に接触損傷」「隣在歯に接触」「上顎洞迷入」など
全く痛くないわけではありませんが侵襲の少ないフラップレス手術の場合は、4~6mm程度の穴から、器具での触診とCT画像から骨の形態を予測していく必要があり、方向と深さのコントロールが難しくなります。
切開手術法の場合は、切開線を長くし、骨面から歯茎(歯肉)を剥離する面積が骨を直視可能な範囲へと直結するため、面積を広げることで骨の形態を把握しやすい一方で、骨から歯茎(歯肉)を剥がす範囲も広がるため、腫れや痛みが強くなり、予後が悪くなる傾向があります。
フラップレス手術での失敗を避けるためには、段階的に骨を深く形成することが最も大事と考えています。例えば、直径4mm、10mmの長さのインプラント埋入する場合、10mmの深さまで骨を一気に形成するのではなく、サージカルガイド(ステント)の有無にかかわらず、段階的に形成していきます。サージカルガイド(ステント)を使用すれば安全という声も耳にしますが、誤差や不適合の可能性を考慮すると所定の深さまで一気に削ることは危険だと考えています。
具体的な当院の手術工程として、まず直径1~2mmのバーで約3mm~4mmの深さまで骨を形成し、直径、長さともに余裕のある状態で金属のバーを骨に入れ、CT撮影を行ないます。骨のどの位置にあるかを把握し再度シミュレーションを行ない、さらなる骨の形成を進める上で、骨内に収まり、神経や血管に接触しないことを確認します。その後、深さを約6mmほど形成していきます。状況により、2回目のCT撮影を1回目の撮影と同様に行う場合があります。問題ないことを確認後に最終的な深さまで形成し、その後直径を太くして骨の形成を行なった上で、インプラントを埋入します。
このように、CT撮影により方向や深さを確認修正できるよう2~3ステップで段階的に骨を形成していくこと、浅い位置でのシミュレーションを工程に加えながらの埋入を行なうことで、「骨内外に穿孔」「神経結果に接触損傷」することを防ぎ、フラップレス手術の失敗を回避しております。
②「骨の火傷」をしやすい(骨を冷却しにくい)場合
骨密度の高い硬い骨は、骨を形成しても出血が少なく、長いインプラントを埋入する場合、先端まで水が届きにくいことがあります。
フラップレス手術は非常に小さい穴にて手術を行なうため、水での冷却がしづらい術式となっております。特にサージカルガイド(ステント)を使用したフラップレス手術になると、より水が骨に到達しにくいため、冷却が困難になります。
骨密度が高く、長いインプラントを使用し、サージカルガイドを使用したフラップレス手術は最も注意が必要となりますので、当院ではアシスタントによる追加注水、バーを骨に押し当てずに上下動を頻繁に行う、極力長いインプラントを使用しないなどの対策を講じ、骨の火傷による痛みや結合しないなどの失敗を回避しております。
なぜフラップレスインプラント手術の実績が多いのか?

経験はもちろん大事ですが、「いかに複雑な手術を行わず、シンプルに手術を行うようにするか」が非常に重要と考えております。
インプラント手術を行なう際には、患者様それぞれの口腔状態によって手術方法が異なっており、例えば、骨移植(骨造成)、歯肉移植をしなければいけない場合は、切開法による手術を行わなければいけないといった診断をする歯科医院もございます。
当院では患者様の身体に与えるダメージを最小限に抑えることを第一に考え、切開を行なう骨移植(骨造成)などを極力回避するよう努めております。そのため、様々な直径と長さの異なるインプラントをご用意するとともに、骨を拡大する手術法を導入しており、フラップレス手術の適用範囲を広げております。
インプラントのサイズはメーカーによって異なりますが、例えば、当院では細いインプラントで直径2.5mm~3.0mm(通常は3.3mm~3.5mm)、短いインプラントでEXTRA SHORT4.0mm(通常は8.0mm、ショートインプラントを導入している歯科医院では6.0mm程度)を用意しおります。
使用するインプラントによって費用も異なり高額になってしまうことを懸念される患者様もいらっしゃいますが、サージカルガイド(ステント)を使用しなければ特別追加費用は発生しないなど、ご予算に合わせた治療方法を提案させていただいております。